Kiss me,Kill me.「ん」
テーブルに両手をついて、ひょろっこい身を前に乗り出し、小さく真ん丸の黄色い頭を突き出している。
「……」
一丁前に目まで瞑っているそのサンジの顔をクロコダイルは眉を寄せて眺めた。
「ん!」
「はぁ……」
キュッと目を閉じて金色の睫毛を揺らし、唇を突き出してキスしろとせがむ顔を、クロコダイルはため息をついてからその大きな掌でガバリと押さえ込んだ。
「んー!」
「今日の仕事は終った。帰って良いぞ」
クロコダイルはサンジを自分の前から引っ剥がしてから空いたその右手で器用に葉巻を取り出した。
「んだよ!急に呼び出されたのに仕事手伝ったんだからご褒美のちゅーくらいしろよ」とぶつくさと口を尖らせながらサンジはクロコダイルの手に収まった葉巻をシガーカッターで切り取った。そのままいつものようにポケットから取り出したマッチで火をつけてやる。
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