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    かぐらん

    @kaguranran_ran

    まどめ沼の住人
    書いたり描いたりをお勉強中
    まだまだ修行が足りん

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    かぐらん

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    「守りたいものはありますか」で始まり、「迷子ではいられない」で終わる物語バルバロスver.

    「守りたいものはありますか。」
    街外れの路地の奥深く、かけられた声にバルバロスは足を止めた。
    見遣れば、今にも潰れそうな小屋の暗がりから、占い師のような風貌の女が手招きしている。
    「魔術師を呼び止めるたぁ、良い度胸だな。」
    「あなたがどのような方かは関係ありません。迷える者を導くのが私の勤めです。」
    にこりと微笑む女に眉根を寄せる。誰が迷える者だ。そんな内心を読んだかのように女は続ける。
    「あなた、倒したい人がいますね。」
    寄せた眉が跳ね上がった。
    「でも、その人を倒すと本当に守りたい人が傷つく。違いますか?」
    問いながらも確信を持った言葉。
    何者だ。こいつは何を知っている。内心の焦りを隠すように、バルバロスはこれ見よがしに鼻で笑った。
    「なんだ、お守りの一つでも売りつけようってか。」
    「まさか。私はただ助言を与えるだけ。」
    よく聞いて、と前置きをして女は告げた。

    「ただ戦って勝つだけが勇気の証明ではありませんよ。」

    一体何の話なのか、突飛すぎて理解ができない。
    バルバロスが思わず首を捻ると、くすくすと女が声を漏らした。
    「いずれわかる時が来ますわ。」
    自分の仕事は終わり、と女は身体を引く。
    これ以上下手に関わりあうのはごめんだと、バルバロスも早足でその場を離れた。何を言っているのかは微塵もわからないが。
    師匠を倒したあいつを実力で倒さなければ、俺はこの先には進めない。
    それが今の俺を形成する全てであり、信念なのだ。
    あの日から、ずっと。
    何を言われようと、俺はもう迷子ではいられない。







    シャスティルver.

    「守りたいものはありますか。」
    街外れの路地の奥深く、かけられた声にシャスティルは足を止めた。
    目を向ければ、今にも潰れそうな小屋の暗がりから、占い師のような風貌の女性が手招きしている。
    周囲には誰もいない。私に問うているのか。「もちろんだ。不当な暴力で生活を脅かされる全ての市民を守るのが、聖騎士としての務めだ。」
    洗礼鎧の胸を拳で叩けば、聖騎士の鑑と言える返答に女性は頬を綻ばせる。
    「そうですか。では、私から一つだけ。」
    一拍置いて、彼女はまた問うた。

    「聖騎士としてではなく、一人の普通の人間として、守りたいものは何ですか。」

    その問いに、私は答えを返せなかった。
    せめて何か返そうと口を開きかけるが、結局何も出てこずに閉口する。
    しばらくその逡巡を見守った女性は、ついに耐えきれなくなり、くすくすと声を漏らした。「すぐでなくても良いのです。いつか答えを見つけてください。」
    自分の仕事は終わり、とばかりに彼女は身体を引く。
    本当にこれ以上は何も用がないようだ。
    問いの答えを返さず離れるのは心苦しいが…今の私には、何も返せる言葉がない。
    私は軽く一礼すると、占い師の下を離れた。聖騎士ではなく、ただの『シャスティル』としての自分の希望など、考えたこともなかった。
    立派な聖騎士だった兄のように、兄に泥を塗らないように、全ては市民一人ひとりのために。
    そう思って、毎日精一杯聖剣を振るってきた。
    …この手を引き、守ってくれた兄は、もういないのだから。
    そうだ、『シャスティル』としての答えも、きっと。
    いつも私を導いてくれた兄のように、今度は私が皆を守る。
    私には本当に、ただそれだけ。
    私はもう、迷子ではいられない。


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    DONE轟爆/雄英2年生
    無自覚でいさせて 朝、ハイツアライアンスのリビングに降りていくと半袖の者がチラホラ目に入った。すぐに6月に入り衣替えが許可されたのだと気が付き、ならば自分も半袖にすれば良かったとチラリと思うが、今から着替えに戻るのも面倒くさいし何よりなるべく早く学校に行きたい。今日のところは自前の個性で蒸し暑さを凌ぐとして足を急がせ、教室に入り目当てを探すと、

    いた。色彩の淡いのがひとり、椅子に座り耳にワイヤレスイヤホンを入れて何かを聴いている。それは、いつも誰より早く登校する、俺の爆豪。

    耳を封じたからといって他人の気配を気にしない男ではないが、そっと足音を忍ばせて近づきわざと耳元でおはようと囁くと、早速距離が近ぇと睨まれる。誰もまだきていない教室に2人きり、しかも恋人の関係でそんなことをいうなんて酷くねェか?と、ちっとも酷いだなんて思っていない口で言いながら唇に唇を寄せると、キスの代わりに鼻の頭を齧られそうになる。おはようのキスひとつ素直にさせてくれないなんて、本当に懐かない猫のような恋人だが、そこがまた可愛いと思ってしまう辺り、自分も中々に重症だと思う。まもなくほかの奴らも登校してくるだろう、それまでのほんの数分だけでも爆豪を眺めていたくて、ひとつ前の席を拝借して向かい合わせに座った所で、
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