拷問官道 めちゃくちゃ拷問上手で情報吐かせるのも御手の者なのに道が対象を殺したくて殺したくで仕方がないため ちょっと目を離すとすーぐコロコロしてしまうため問題児道のお目付役として旬が抜擢された設定
道と旬が同じ組織に属しています
拷問官→道
目付け役→旬
─────────
最悪だ、よりにもよって俺の担当はあの「道門」だ
コイツは残虐趣味のイカれ野郎で拷問の果てに殺すという曰く付きで今まで何人もの仲間が被害にあった
組織内からも問題児扱いされているらしく、最近ではお目付役がつくという噂だ
今日はそのお目付役がいるのかどうか…
すると男が2人部屋に入ってくる
やった!俺は運がいい、今日はお目付役がいるようだ!
そう思っていると、お目付役の男が渋々と椅子に腰掛け書類に目を通し始める
「殺すなよ」
「はいはい、わかってますよー」
怠そうな会話をしながら道門と思わしき男が笑顔でこちらに向かってきた
「アンタ、運がいいな、僕は残念だよ、折角のお楽しみだってのに」
その笑顔がみるみる狂気に満ちたものに変わり 地獄のような時間が始まった
─────
どうせ殺されないのならばとっとと洗いざらい吐いてしまえばい
そうすれば、楽になれる、そう思った
「なぁ、まだ隠してることあるだろ?はやく喋りなよ」
「っわかった、わかった!!喋る!喋るからやめてくれ!!」
「…ッチ、喋るのかよ、つまんないな…」
もう痛めつける必要がなくなると道門はひどく落胆したように肩を落とした
喋ろ、と強要し拷問するくせに、いざ喋ればこれ以上拷問を楽しむことができなくなり残念そうに舌打ちをする、やはりイカれてる
「あの、事件、標的の妻子を拐かした犯行グループには俺もいた、他の奴らのことも全部覚えてる!」
「へぇ、あの、母親と娘を惨たらしく痛めつけたあの事件ねぇ…洗いざらい話してもらおうかな」
「あ、あぁ、まずは母親を………そして娘を……」
全てを事細かに喋っているとふと、室内の空気が酷く凍えていくように感じた
そのとき道門の背後から殺気のような鋭い眼差しを感じ
そちらに目を向けようとすると道門に言葉で遮られる
「あんた、ずいぶん犯行の中心にいたんだな、ほぼ実行犯だ」
直後、室内に ガタリ と音が響く
お目付役の男が椅子から立ち上がった音だった
道門がそちらへ視線をやりニヤリと笑ったのが見えた
なにか良くないことが起こる、そう感じた
お目付役の男は無言で扉へ向かいドアノブに手をかける
「あまり散らかすなよ」
そう言い終えるとガチャリと部屋の外へ出ていってしまう
冷や汗がとまらない
「はあーい」
道門が嬉しそうに返事をした
そしてコチラをチラリと一瞥する
「あんた、やっぱり運が無いな、今日のお目付役のあの男、お前のような救いようのないゴミクズが大嫌いなのさ」
嬉々として喋り出し距離を詰めてくる
「はは、まぁ僕はうれしいよ、お許しが出たんだ、久々に最後まで味わえるなんてね」
──────
「…もしもし、母さん?」
『旬?どうしたの仕事中じゃないの』
「ちょっとね、声が聞きたくなって、2人とも元気?」
『ええ、元気よ、旬は?仕事は順調?』
「うん、大丈夫だよ…、ごめんそれだけ、ありがとう、仕事中だから切るね」
『いいのよ、声が聞けて嬉しかったもの、無理せずにね』
「うん、また…」
電話を終え一度深呼吸をする
ふと背後の部屋から微かに聞こえていた悲鳴が聞こえなくなっているのに気づく
……中はどうなっていることやら
できれば開けたくはないが、そうはいかない
ゆっくりと扉を開けると想像通りの凄惨な室内の光景と満足そうに椅子に座り余韻に浸る道門が視界にはいった
深く溜め息をし、これからしなければならない後片付けや始末書について考える
「おい、あんまり散らかすなって言っただろ…」
扉を閉める音が廊下に響いた