刹那を踊れ ピカレスクへの潜入任務も無事完了し、本日声福ポイントの反映がされた。
「すげー! 見てくれよこれ!」
「だから、急に大声を上げないでください」
毎度のことながら大声を上げた白鷹さんを睨みつつ、指さしていた通称ビーカーに視線を送る。
「これは……」
「な? ビックリすんだろ?」
「ええ、予想以上です」
予想以上に——少ない。
とはいえ、一夜でここまで増えたのは大きな収穫ではあるが、セントヴァレンティノ学園に潜入した時と、さほど変わりはない。
「めちゃくちゃ増えたよなぁ」
「……そうですね」
恐らく、このペースでも白鷹さんは問題ないのだろう。
自分でも気が急いていることは理解しているが、その気持ちからは目を逸らした。
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