炬燵「炬燵欲しいなあ。……ねぇ、この世界に炬燵ってないの?」
秋学期の締めくくり、そしてウィンターホリデーまであと少しという頃。
いつものように食堂の定食を食べながら、ぽつりとぼやいたのがはじまりだった。
「こたつ?なんだそれ。」
「はじめて聞いたな」
「こっちに来てから暖炉しか見てないから……もしやと思って。」
「暖炉が出てくるってことは防寒に関するものなのか?」
「異世界の防寒アイテム、ちょっと気になるかな」
エースとデュースは聞き慣れない言葉に反応し、隣のテーブルに座っていたジャックとエペルも好奇心で話に混ざっていく。
「どんなものかって言われると…なんて言えばいいんだろう?一度入ると抜け出したくなくなるんだ。多分グリムは絶対好き」
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