エメ、トセルク、大好き!4 祈りを喝采に変え、花道を歩ませ 淡い期待を持っていた。信じて協力してもらえるかもしれないと。それは、話すほどに目の前で項垂れ、固く自身の手を握るエメトセルクの姿に、脆く崩れていった。
「……荒唐無稽だ、とても信じられたものじゃない」
このエメトセルクが、信じられるはずもない。あなたは星を飲み込んでいく絶望を知り、失う無念を知り、人類を背負った執念を知る。そして、うっすら使い魔もどきに斃されたのだと。
「……世迷言はもう十分だ。私は仕事に戻る、二度と邪魔をするな」
その目に、今までの触れ合いも全て謀りに過ぎないと吐き捨てられたようだった。刃物が音を立てて深く心臓に突き立てられ、思い出を裂くように。
友2人が背を向けて行ってしまう。
これでいいんだ。全て本当のことを話した。今までが夢のような時間だったのだから。
5760