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    447_yoshi

    @447_yoshi

    どうでもいいハイノイさんの小話を(ノ・ω・)ノ⌒°ポイッ
    する予定です。そのうち多分

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    447_yoshi

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    pixiv○○の日のハイノイさんの、こぼれ話に入れてた話(再掲です)
    あっち非公開にしちゃったからこっちで公開します😉✨
    探してた方がいたので!

    お裾分けその後「あら。ノイマン君こんにちは」
     近所のスーパーで不意に声をかけられる。
    「あぁスズキさん、こんにちは。先日はお裾分けありがとうございます。アルバートもお相手して頂いたようで」
     声をかけてきたのはスズキさん。趣味で家庭菜園をしており、先日お裾分けを貰った。
    「いいえ。こちらこそ助かったわ。ところで...ピーマンいらない?」
    「それは...もしかして」
    「うふふ。...今年どれも豊作なのよ」
     消費し切れないほど取れているらしい。
    「ハウメアの恩寵でしょうかね」
     苦笑する。今年はアスハ代表が婚約を発表、新代表にトーヤ・マシマ氏が就任すると発表。めでたい事続きでオーブはどこもお祭り騒ぎ。ついに農作物までお祭り騒ぎで今年はどこも豊作らしい。
     スズキさん家も例外ではないらしい。
    「ではお言葉に甘えさせていただきます。お礼にお送りしますよ」
    「あら、助かるわ~」などと話しながらお互いの買い物を済ませ、スズキさんのお宅へと。

    「お邪魔します」
    「ちょっと座って待っててね」と冷たいお茶と茶菓子を出される。
    「ありがとうございます」とお礼を言うが、パタパタと部屋から出ていく彼女に届いているかはわからない。
     不躾かと思ったがキョロと部屋を見渡す。部屋に入った時に気が付いたが、鳥かごがある。見るだけなら構わないかと近付いて、覗き込んでみる。小さな白い鳥がいる。白い体に赤いクチバシ。色彩が彼女に似ている。
     ふと懐かしい気持ちになり、しばらく眺めていると家人が部屋に入ってくる気配がする。
    「その子は文鳥よ。鳥が好きなの?」
    「あぁいえ、鳥がというよりは生き物は好きですね」
    「触ってみる?」
    「良いんですか?」
    「この子次第だけどね」と鳥かごを開け手のひらへ乗せこちらへと差し出す。
     こちらも手を差し出してみると、ぴょんと飛び乗る。
    「あらあらあら。気に入られたわね、手に乗るなんて」
     ちなみにアルちゃんは噛まれてたわ、と笑いながら教えてくれる。一通り触ってみてもイヤがる素振りもなく触らせてくれる。
     文鳥をスズキさんに戻し、鳥かごへと近づけると自ら戻るのを見る。
     ふと、『この子は外へと飛び出したくはないのだろうか。』
    『それとも人に飼われる事に疑問もなく生きているのだろうか。』などと考えてしまう。
     さて、とスズキさんの声で思考を中止し気持ちを切り替える。テーブルの上には大きな袋。また沢山の野菜を頂けるようだ。
    「ありがとうございます」
    「いいえ。どういたしまして」
    「いえ、野菜もそうですが。アルバートの事も、俺たちの事も」
     何も詮索せず、付き合ってくれている。
     いくらオーブといえどアルバートはどう見てもコーディネーター、しかも強めの調整がされているのは見て明らかだ。
     アスハ家の息がかかった物件に俺と男同士で住み、パートナーと公言(主にアルバートが)している。お互い、何日も家を空ける事もあれば何日も休みの時もある。
     怪しさ満点である。
     そんな俺たちに彼女たちが普通に接してくれているから、やっていけているのである。それ程、彼女たちの影響力はここでは強い。
    「ふふ。ご近所さんと仲良くするのは当然の事よ。それに貴方たち素直で礼儀正しくて良い人なんだもの。私達はそんな人と仲良くしたいだけよ」
    それに、
    「たとえ貴方達が誰かの縁故だとしても、私の矜恃に反するなら仲良くは出来ないわ」
     柔和な顔で話しているが、その目の奥は真剣だ。
     そう、ラミアス艦長やラクス・クラインのように。穏やかに見えてその奥に強い光を、芯を持った目だ。そんな人が、自分達をひとりの人間として認め接してくれているのだ。困ったような、照れ臭いような顔になってしまう。
    「...ありがとうございます。」
     ふふふ、とスズキさんが笑う。何かおかしな事を言っただろうか。
    「やっぱり、貴方たち2人は良い人達ね。そしてそっくり」
     そっくり?わからなくて首を傾げてしまう。
    「この前、アルちゃんも同じ事を言ってたの。」
     自分に、自分達に何も詮索せず、人付き合いが下手な自分に嫌な顔をせず接してくれる感謝を。
     同じ返しをすれば、俺と同じような顔で礼を言ったらしい。なんだか恥ずかしい...
    「それにしても、アルちゃんは本当にノイマン君の事が大好きよね」
     急に投げかけられた発言に思わず固まる。
    「ノイマン君の為に料理のレパートリーを増やしたい、栄養がある物を食べさせたい、彩りは大事なのか、コーヒーばかりでは体に悪いのか、家事のコツは、もし体調を崩した時はどうすればいいのか、」
     などなどツラツラと述べられる、恐らくアルバートが質問したであろう事項。
    「仕事の時は凛としてカッコイイけど、家では自分に向けてくれる表情が好きだとか」
    「ちょっ!」
     何言ってんですか!恥ずかしすぎる!
    「ふふ、多分それは無意識に言っちゃってると思うのよね」
     どっちにしても恥ずかしいことに変わりはない。真っ赤になる顔を仰ぎながらこの場から退散する事にする。
    「じゃあアルちゃんにもよろしくね。」
     再度お礼を言いスズキさん宅を後にする。ホント、ああいうのアイツのいい所ではあるが悪い所でもある。無自覚な分タチが悪い。

    「ただいまもどりました」
     アルバートの声で作業の手を止め「おかえり」とだけ返す。私室に荷物を置きキッチンに近づいてくる。しかし俺の手元を見てウッと顔を顰める。
    「ピーマン...」
     そう、今まさに肉詰めピーマンを制作中なのだ。
    「スズキさんから貰ったヤツだからな」
     言外に「一口でも食えよ」と圧をかける。こいつ意外とお子ちゃま舌だからな。食べれない場合を想定してハンバーグぽい味付けで行く予定だ。
    「はい...」シュンと項垂れるのは可愛いが甘やかしはしない。
     さて、いざ勝負と言いそうな顔でピーマンを齧るアルバート
    「...苦くない」パチクリと瞬きをし2口3口と頬張る。
     そりゃそうだろうな。
    「それはスズキさん渾身の『こどもピーマン』だからな」
     お孫さんに食べさせる為に苦味がない品種のピーマンを栽培作したらしい。アルバートの皿にあるのはそのピーマンだ。ちなみに俺のは普通のピーマンなので多少は苦味はある。
    「僕をお子様だと?」
     ムッとしたその口に俺の分を押し付ける。『食べてやりますよ』と言わんばかりの顔で齧り付く。が、眉間にシワがよる。
    「残りは結構」と自分の皿の分を食べ進める。コイツ本当に面白くて可愛いヤツだな。
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    #書き出しと終わり #shindanmaker
    https://shindanmaker.com/801664
    サヨナラの前に覚えておきたいことがあった。キミと過ごした時間と、その思い出。そして、その肌の温もりと匂い。ぼくはもう、誰かをこんなに愛することなんてないと思っていたから、心に刻みつけておきたかったんだ。でも、「お別れの前に、最後の『ふれあい』を……」なんてお願いするのは、男としてどうかと思ったし、実際そんな余裕もなかった。みぬきを養子として迎える手続きに、自分の弁護士資格の手続き。マスコミ対策も苦労した。
     あの頃、真宵ちゃんは何度かぼくに連絡をくれていてた。でも、タイミングが合わず、折り返しを掛けることも忘れ、少し疎遠になっていた時期もあった。ちゃんとゆっくり話をできたのは、全ての手続きが終わった後だったように思う。真宵ちゃんは、泣けないぼくの代わりに泣いてくれた。だから、ぼくは真宵ちゃんに「あの日の真実」と、今は姿が見えない黒幕について、ありのままを話したんだ。
     これで全てが終わったと思った。ぼくは表舞台を離れ、地道にぼくの道を行く。真宵ちゃんは、家元として堂々と陽の当たる道を歩いていく。だから、ここでお別れだと……。でも、実際は想像していたものと全く正反対の反応だった。
    『よか 1359