お髭「お兄ちゃん、顎汚れてる?」
そう言えば今日は剃ってなかったな。顎に手を当てながら「あぁ」と返事をする日下部君。今日は土曜日で特に出かける用事もないので身だしなみは整えていない。日車君は「遊びに来たよ!」と言い10分前にやってきたばかり…今は日下部君の部屋のベッドを背もたれにして2人仲良く並んで読書中。日車君は家に親が居たが大好きなお兄ちゃんまっしぐらである。
「寛見、これは髭だ」
「ひげ?僕には無いよ?」
「まだ、な?お前も俺ぐらいになったら生えるさ」
日下部君の言葉に首を傾けながら自分の顎をそっと触る日車君。そんな動きを見ながら日下部君は自分の持っている本に目を戻す。だがどうも視線を感じて顔を上げると日車君はどうやら自分の顔を…いや顎の辺りを見ているようだった。
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