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    やまかい(ナマズの姿)

    イデ監主体で書いてます

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    推し(?)の監督生氏に好きな人が居るらしいと知った💀は勉強会や、夜にそれとなく聞こうとする。が監督生からすると好きな人に「好きな人って居るの?」と聞かれ慌てて逃げ帰ってしまった。 その手にはしわくちゃになった手紙があって……

    とうとうイデア・シュラウドだとバレます。

    ⚠ちょっと監督生が強めに掴まれます。

    #イデ監
    ideeSupervisor

    監督生氏が告白されてるぅ!? ザワつく1年は最近目に入るようになったタブレットが今日は一段と挙動がおかしい事に気が付く。
     扉にぶつかり、柱にぶつかり。それでも破損しないのは流石である。
     画面越しのイデアは未だに昨日の事を忘れられず、なんなら夢で彼が彼女になって出てきた程だった。
    「監督生氏は男、監督生氏はおとこ……男なのにあの柔らかさ何!?」
     あの柔らかさに気が付いてから「あ、監督生氏なんかいい匂いしてたな」とか「唇ぷるぷるだったかもな〜」とか、いや見てたのかって言うと……見てない訳ではない。全てが妄想ではない……はず。
     余りにも可笑しいぞイデア・シュラウド。監督生氏と話せば話す程、過ごせば過ごす程。目が、耳が、嗅覚が監督生氏の一つ一つを拾い上げていく。写真なんてそろそろ100に達してしまいそうだ。
     こんなの、こんなのまるで監督生氏に……
    「監督生が告白受けるってよ」
     柱付近で落ちていたタブレットが拾った音声。
    「かん……とくせ……し?」
     情報が呑み込めず視界がぼんやりとして周囲の音が遠くなる。
     あれ?寮長、何処に行くんですか?。そんな声が聞こえた気がした。

     声を掛けたことならある。という位の人達に囲まれる中、監督生は背筋に汗を流していた。
     こ、ここまで騒ぎになるなんて……
     ある日、投函されていた手紙に書かれていた事は。
     今日、渡り廊下横の中庭で会いましょう。
     という1文だけだった。
     だけれど、鈍いと言われる私でも分かる。コレは告白をされる奴だ!と。
     エースやデュースに相談をしたかったけどせっかく書いた手紙を、同級生に読まれた……なんて私なら嫌だ。
     それに。
     シュラウド先輩が手紙を貰ったと知ったらどんな顔をしてくれるのか……それが気になって欲をかいた。
     だからだろうか、先輩には私が好きな人が居るとばれ。今、男子高校生に囲まれた状態で告白を受ける事になったのは。
     これで振る事って、出来るのか?
     今、私は無力な女子で、男子校に紛れている。
     その事を思い知らされている。
     年も明け、寒さが増していく中。通り抜ける風も冷たい筈なのに人が増すばかり。
     緊張だか、寒さだかで鳥肌がたち、身震いをする。
     エースに伝えれば良かった、デュースに相談すればよかった。
     シュラウド先輩に話せていれば……イデア先輩に言ってもどうにかしてくれただろうか……案外、あの先輩も優しい人だし……
     此方が現実逃避している間に向こうでは告白コールをして、やめろよ〜なんて茶化しあっている。
     茶番だ。遊ばれているんだ。
     そう分かっても、じゃあこれで断られたら素直に帰ってくれるのかと疑問が生まれ、手が震える。
     マブや、騒ぎを聞き付けた先生が来ないかと引き伸ばしも出来ず。
    「……ここに来たってことは、わかってんだろ?聞かせてくれよ。監督生くん」
     返答を迫られる。
    「わ……ぼ、僕は……」
     歯がなる。呼吸が早くなりキュッと喉が締まる。握り拳を胸元に持っていき、体温は熱いんだか寒いんだか分からない。
    「好きな人、が、居る。ごめん」
     たとえここの人達に殴られても頷けなかった。
     だって、私が好きなのはシュラウド先輩だから。
    「……は?ごめんもう1回いって?」
    「好きな人がいる!付き合えない!」
     やけだと大声で叫ぶ。
    「……はっお前、選択できると思ってんの?」
     目を瞑っていたから反応できなかった。
     腕を捕まれ、ぐっと上に持ち上げられる。
     ギリリとした痛さはあの夜を踏み消す様だ。
    「女っぽい面してっから構ってやろうとしただけで別に好きでもねぇし、だからお前に振られてもいねぇ」
    「だから!これは決定事項なんだよ!」
    「ねぇ。なにしてるの?」
     ほぼ耳元で叫ばれる声に顔を顰めていると、ボソリと呟くような低い声。だけどその声は目の前に置かれた様に目立っていて。
     笑いも、
     意味不明な叫びも、
     悪口も、
     目の前の男の凶弾も。止んだ。
     視線を声の方に向けると、赤。があった。
    「ねぇ、聞こえなかった?何、してるのって」
     轟々と燃え盛る炎は夜の静けさを表すような色から赤く、命を狩る色を宿している。
     どういう仕組みが知らなくてもどんな意味かは分かる。
     怒っている。とても。
    「ひ、ヒィ」
     腕を離されドサリと尻もちをつく。
    「し、シュラウドせ」
    「い、イデア・シュラウド!なんでこんな所に!」
     顔面蒼白の手紙の主がそう言い放ち、飛ぶように逃げる。野次馬たちも被害者面や、無関係だと言い捨て消えていった。
    「面覚えたからな……」
     つぶやきを最後に何も言わなくなった彼はじっと私の腕を見つめている
    「シュ……あ、いや……イデア先輩……?」
     名前を言い直すと、あからさまに身体を跳ねさせプイと顔を逸らしてしまった。
    「えっと……」
    「オルト、呼んだ……から。あと、教師にも今の状況伝えて、この後の授業は無しになると思うし、させないといけない」
     自分の背後から浮遊してきたタブレットを操作する姿に、嗚呼、本当に同じ人だったんだ。とぼんやり思う。
    「……エース氏とデュース氏は教師を呼んでた。から来れなかった。……別に、君は見捨てられた訳じゃないから……」
     監視カメラ映像がタブレットに映り、必死で先生を探すふたりが映っている。
    「あ、ありが」
    「監督生さん!お待たせ」
     抜けてしまった腰に震える腕を動かし、這って先輩へと近付こうとしたその時。オルトくんが明るい声で私を呼んだ。
    「お、オルトくん」
    「兄さんから聞いたよ!襲われたんだって?立てる?僕が支えるよ。ほら、保健室へ行こっか」
     オルトくんに目を向け、肩を貸して貰い、立ち上がっている内にイデア先輩は早足にパーカーを深く被って帰って行ってしまった。
    「もう!兄さんってば……監督生さん。……兄さんは、監督生さんの事、とっても気にかけているんだ。だから兄さんの事、誤解しないで欲しいな」
     兄を心配するオルトくんがフォローしてくれている。……それでも彼が去った方向から目が離せなくて。
    「……監督生さん?」
    「……そういえば、初めて会った時もフード被って居たなって」
     そう、思ったんだ。
     オルトくんに顔を向けると、少し驚いた表情をした後に嬉しそうな顔で。
    「監督生さんから見る兄さんを聞きたい、保健室で」
     と言われたから。
    「私も、オルトくんから見たイデア先輩が知りたい」
     と返した。
     その後、オルトくんと沢山話し、精神的にも少し落ち着いたけど、その日を境にタブレットも、夜の蒼炎も、見なくなってしまった。

    「あの時に腕を掴んだ僕はあいつの事をとやかく言う資格が無い」
     オルトが監督生氏を手当している中、ベッドで毛布に包まる。
    「なのにあいつが腕を掴んだのが許せなかった」
     痛さを滲ませた顔に血管が切れる音が聞こえた気がして、気がついたら目を丸くしたあの子が地べたに落ちていた。
    「僕には、あの子を介抱する事は出来ない……」
     僕は、どうしようもなく監督生氏の事が好きになっていた。
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    やまかい(ナマズの姿)

    SPUR ME推し(?)の監督生氏に好きな人が居るらしいと知った💀は勉強会や、夜にそれとなく聞こうとする。が監督生からすると好きな人に「好きな人って居るの?」と聞かれ慌てて逃げ帰ってしまった。 その手にはしわくちゃになった手紙があって……

    とうとうイデア・シュラウドだとバレます。

    ⚠ちょっと監督生が強めに掴まれます。
    監督生氏が告白されてるぅ!? ザワつく1年は最近目に入るようになったタブレットが今日は一段と挙動がおかしい事に気が付く。
     扉にぶつかり、柱にぶつかり。それでも破損しないのは流石である。
     画面越しのイデアは未だに昨日の事を忘れられず、なんなら夢で彼が彼女になって出てきた程だった。
    「監督生氏は男、監督生氏はおとこ……男なのにあの柔らかさ何!?」
     あの柔らかさに気が付いてから「あ、監督生氏なんかいい匂いしてたな」とか「唇ぷるぷるだったかもな〜」とか、いや見てたのかって言うと……見てない訳ではない。全てが妄想ではない……はず。
     余りにも可笑しいぞイデア・シュラウド。監督生氏と話せば話す程、過ごせば過ごす程。目が、耳が、嗅覚が監督生氏の一つ一つを拾い上げていく。写真なんてそろそろ100に達してしまいそうだ。
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