笑顔、執着、マーキング、全ては運命にオメガバ現パロパーバソ
「私ではないαのにおいがする」
パーシヴァルの穏やかな笑顔が一瞬で消え、細くなった瞳孔がバーソロミューの全身を隅々まで観察する。
面倒なパーティーに参加して、ようやく家に帰ってきたバーソロミューに対しての第一声がコレだ。
彼の手はバーソロミューを抱き締めようと浮いたまま、触れもせず空中で固まっている。
「臭いかい?まいったな、今日は他のαと挨拶のハグすらしていないのだけど」
パーシヴァルに首を噛んでもらって番を得たバーソロミューは、既に他のαのフェロモンを感じ取れる機能を失っている。αであるパーシヴァルもΩのフェロモンに振り回されることはなくなった。お互いのフェロモンは番同士しか感じ取ることはできなくなった。しかし、同性のフェロモンは敏感に嗅ぎとることができる。Ωが他のαに噛まれないよう、ひとえに番を守るための本能故だと言われている。
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