フリーレン現パロ 3月三月某日…いや、十三日。
普段の生活区より三駅離れたショッピングモールの一角にて。
「ひじょーに……まずい」
どこかのボクシング漫画よろしく真っ白に燃え尽きた姿のシュタルクは、途方に暮れていた。
「もしもこのまま明日になったら……俺、生きてられるかな…」
事の始まりは一ヶ月前、いつもと同じように学校に行くとフェルンからチョコを手渡された。今まで生きてきて無縁だったバレンタインという文化に、初めて触れた瞬間でもある。
「バレンタインのお返しって三倍って言うし…でも義理って言ってたけど……かと言って適当なの選んだら……」
シュタルクは今までも何度か、フェルンを怒らせた事がある。
まるで背中に冷たい氷でも流し込まれたのかと錯覚する感覚に襲われ、機嫌が治るまで口も聞かないし視界にも入らなくなり、存在ごと抹消されたように扱われる。子どもの頃からの仲とはいえ、これが結構精神的ダメージに繋がったりするのだ。
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