皆木綴の悩み「はぁ……」
バルコニーに座って俺は今日何度目になるか分からないため息をついていた。申し訳程度にノートパソコンを開いてはいるものの全く集中できないでいる。
「どったのつづるん、ため息ついちゃって悩み事ー?」
「三好さん」
「あれれ、ほんとに浮かない顔しちゃってこれはカズナリミヨシの出番かなー?ささ、愚痴でもなんでも聞くからさ」
「あの、」
「なになに?」
「……やっぱいいっす」
「えー、なんでなんで」
「三好さんに話すと事が大きくなるだけの予感がして」
「そんな事ないよん。どどーんと大船に乗ったつもりで相談してよ」
「泥舟の間違いじゃないっすか?面白がってるでしょ」
「つづるんヒドス。心配してるだけなのに……」
ヨヨヨと泣き真似をする三好さんがうっとおし…いやいや、少しばかり良心の呵責を覚えた俺は、無駄とは思いつつ相談してみることにした。
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