「絶対俺のほうが正しい!」
「はぁ?何言ってるのあんた。あたしのほうが正しいに決まってるじゃない」
シン・アスカとアグネス・ギーベンラート、二人の間にバチバチと火花が散る。ルナマリア・ホークは頭を抱えた。
「ちょっと二人共……やめてよ、こんなところで」
「でも、ルナ!」
「そうよルナマリア、こんな奴の味方する気?」
ルナマリアが小声で2人を諌めるも、二人は収まる様子を見せない。シンは憤慨しながら手元のジャケットを突き出した。
「絶対俺の選んだほうが隊長の好みだ!」
「はぁ!?隊長がこんなベルトだらけのだっさい服、気にいるわけないじゃない。ほんっとセンスないわね……だから山猿だって言われんのよ!ですよね、隊長♡」
「え……ああ、うん……はい……センスナクテゴメンナサイ……」
グサグサと心に矢が刺さったキラ・ヤマトが光のない目で頷いた。ルナマリアの額に冷や汗が流れる。
「え、えーっと……私はシンの選んだ服もいいと思いますよ!でも、こんな機会だしたまにはあえて違う人の選んだ服を着るのも……いいんじゃないかなって……あはは……」
ここはオーブ首都、オロファトにあるブティックである。先日休暇を巡って激戦を繰り広げたシンとキラだったが、見事シンがキラの休暇を勝ち取ったことでヤマト隊揃ってのお出かけが実現した。4人はとりあえず2週間の休暇の内、3日を使ってオーブに遊びに来ていたのだ。
「皆、本当に僕が来てよかったの?上官と一緒に旅行なんて気を使うんじゃ……あ、緑の3。これであと2枚だね」
オーブに行くシャトルの中でキラは心配そうに3人に尋ねた。
「当たり前じゃないっすか!俺、めちゃくちゃ楽しみにしてたんですよ!あ、ドロー4で。ウノ!」
「そうですよ!隊長、お誘いしても全然ご一緒していただけなくて寂しかったんですから。あ、私もドロー4ね」
「そういうわけで、皆喜んでお誘いしてるので安心してください。……それで、すみません隊長。えっとドロー4で……」
「ウソでしょ!?」
12枚の手札を引きながら、しかし嬉しそうにキラはへにゃりと微笑んだ。