のろいのめがね 残念、アベンチュリンは呪われてしまった!
ここが昔ながらのゲームの世界であれば、きっとそんなコミカルな警告文が出ていたことだろう。
眼鏡のブリッジに指を添えて、そっと押し上げる。普段アベンチュリンが身につけているサングラスとは異なり、つるが細身で透明なレンズの眼鏡が、今となっては宇宙に二つしかない美しい煌きをもつ瞳を覆っていた。一見、普通の眼鏡に見えるそれは「色眼鏡」と呼ばれる奇物で、一度かけてからというもの、ずり落ちた分を最初の位置へ戻すことは出来ても、完全に外すことは出来なかった。
「はあ……。この始末書、必要かな? なんの報告もなく、僕のデスクに置いてあったんだから、ちょっとは仕方ないと思わないかい?」
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