絶望日記四月一日。
暖かい日だった。
凛冬さんに呼び出された。
なんでも我を【教育】するのだとか。
そして娯楽室に連れて行かれ、突然命令されたのは『子供を殺せ』。
エイプリルフールの質の悪いネタかと思いたかった。
勿論抵抗した。
そのまま逃げるように自室に戻った。
この組織に入った事を後悔しかねない、出来事だった。
四月二日。
昨日と同じ気温のはずなのに寒い。
また呼び出された。
逃げた。あの目は本気だった。
毎回あの顔を見る度に恐怖心が煽られる。
あの黒い目が恐ろしくてたまらない。
自分もアレになってしまうのか?壊れてしまうのか?
復讐を忘れるのが怖い。過去を決別しなきゃいけないのが怖い。
でも抜け出せる術もない。
四月三日。
雨が降っている。頭が痛い。
助けてあげられずごめんなさい。
自分が殺される。
早く逃げたい。
(支離滅裂な文字でこの先は読めない……)
四月四日。
風が窓を叩いてる。
撃つしかなかった。そうだ。
我が撃たなかったらあの子が苦しむだけ。
もう嫌だ。あそこに行きたくない。
四月五日。
あの子が苦しむ前に撃った。
きっと正しい事をしている。
だって我がやらなきゃ、アイツがあの子達を苦しめるんだから。
四月六日。
何故か凛冬さんが『先生』について知っている。
殺してあげられなかった。
四月七日。
今日は何もなかった。
もう抵抗する気力もない。
休みを与えられるのは嬉しいはずなのに、何故か苦しい。
死んだ子たちの顔が鮮明に思い出せる。
もういっそ壊れればいい。
壊れて仕舞えば、楽になれる。
四月八日。
慣れが怖い。
もう何もかもどうでもいい。
早くこの地獄に自分が適応しますように。
四月九日。
殺しはなかった。
映像を見せられた。胸が痛い。
四月十日。
今日は男の子だった。
梨南が挙動不審だった。
四月十一日。
さようなら。
四月十二日。
(以降、日付以外何も書かれていない)