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    a3m_ryu8

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    a3m_ryu8

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    ドレスコードありの夜のパーティーに背中ガバ開きドレスで行くにょいまんさんに頭抱えるコさん。なお太ももに銃を仕込んでいます。

    コノノイ♀のドレスアレクセイ・コノエ大佐は悩んでいた。
    それは、プラントでのコンパスへの出資を集めるために参加することとなったパーティーの招待状に添えられた一文だ。
    ――パートナーご同伴でご来場ください――

    「アビー・ウインザー中尉、私のパートナーということにして参加をお願いして構わないな」
    同じ招待状を受け取ったハインラインなどは業務としてはやばやと偶然その場にいた同僚を捕まえていた。
    コノエとてパートナーがいないわけではない。だがしかし、プラントのパーティーに呼ぶのはなんとも憚られると頭を抱えていた。出資のお願いができるような場とはいえど、かなりプラント過激派に寄っている立ち位置の者たちばかりが集まるパーティーだ。いくらパートナーとはいえナチュラルの彼女を連れて行くのは危険ではないか。だからといって、ミレニアムのクルーにパートナー役を頼むには自身は年嵩がいっていると悩んだ。
    (いや、彼女もあまり変わらないな。よくこんな年増に捕まってくれたものだ)
    悩んだところで選択肢はミレニアムの女性クルーに頼むか愛しの恋人に頼むかの二択しかない。
    (まあ、無理だろうな……)
    元来、このようなパーティーなどは好まないであろう彼女だ。きっとすげなく断られるだろう。その時にはジェミーあたりに頼まないといけないだろうか。いくら上官からの頼みになるとはいえ申し訳ない。場馴れという点ではアグネスだろうが、さすがにアグネスでは体裁もなにもあったものではないな、あの子もこんな年寄の相手など嫌がりそうだ、などと考えながら連絡を入れた。

    「ラミアス艦長、ご相談が」
    コノエからの連絡を受けたノイマンは、すぐに上官たるラミアスに報告を入れた。
    「それは……流石に何日かかかるわね……」
    「申し訳有りません。ですが、他のクルーにその役割を任せるのも荷が重いかと」
    「取り繕わなくていいわよ。そこは絶対に譲りたくないわよね、わかるわ」
    「そういうわけでは……」
    ニコニコと楽しげなラミアスに対してノイマンは少し頬を染めて不服げに答える。
    「私だってパートナー必須の時に『忙しいなら他の女性に頼む』なんて言われようものなら全力で調整するわよ」
    力強く熱弁をふるう声は明るかったがその目は笑っておらず、その場の全員が
    (フラガ大佐に限ってそんなことはない……)
    とは思っていた。もし万が一、億が一そんな日が来ようものならば艦橋から逃げ出すかとすら本気で一瞬考えたほどだった。
    「ですので、ノイマン大尉のプラントへの出張を許可します」
    ラミアスの許可に、ノイマンは緩む頬を押さえて形ばかりの敬礼を返した。

    ノイマンからの了承の連絡を受け、自然コノエの頬は緩む。それと同時に他の女性を誘わなくて済んだことへの安心感が湧く。
    (見せびらかしたいわけではないけど、やっぱりパートナーと言われると彼女以外と行くのは気分の良いものではないしね)
    とはいえ、夜間のパーティーだ。多少の懸念は拭えない。しかし、お互いに忙しい身である。事前に話し合う時間を設けられるわけではない。
    こんなにやきもきするはめになるならば事前にドレスを贈ればよかったかと思い、想定していた以上に重い自身の独占欲に苦笑した。
    そして、コノエの懸念は的中した。

    「本日はよろしくお願いします」
    完璧にドレスアップした状態で現れたノイマンを見て、コノエは頭を抱えた。
    決してドレスコードに反しているわけではない。むしろ非の打ち所はない。
    決して似合っていないわけではない。むしろとても似合っている。
    だからこそ問題だった。
    「いくら胸元はレースで隠れているからと言って背中をそこまで開ける必要あるかい?」
    「ドレスコード有りの夜間パーティーに露出なしで来るような無法者だと?」
    不服そうな調子でノイマンは答えるが、その表情は凛とした笑みを浮かべていた。
    青を基調としたフルレングスのイブニングドレスは正面から見れば胸元は少し開いているがレースで隠れて大分落ち着いて見えるものだが、背面は違った。袖部分の透けたレースを除き腰まで大胆に開いた背面は、鍛えられしっかりと締った美しい背中を見せつけていた。そしてフルレングスとはいえ左側のスカートは膝上までスリットが入っており、すらりとした足がちらちらと見える。
    「勿論そんなことは思っていないが、アビーくらいのもう少し落ち着いたドレスで来ると思っていたよ。まさか君が露出に抵抗がないと思っていなかったからね」
    「言い方がセクハラですよ」
    文句を言いながらもするりと腕に抱きつき、ヒールでほぼ同じ高さになったコノエの耳元に唇を寄せて囁く。
    「上半身に注目させておけば下半身の注意は甘くなりますから」
    囁かれた言葉の甘く無さに、コノエは大きく溜息をつき、今度はノイマンの耳元に顔を寄せた。
    「今日は護衛なんて考えなくていい。ボクの愛しいパートナーとしてエスコートされてくれ」
    囁きついでに軽く耳殻を噛んだ。
    「なっ……!!」
    不意打ちにノイマンの体温は一気に上がり、一瞬で真っ赤に染まる。
    「君の肌を他の男になんて見せたくはないからね。腰を抱かせてくれないか?」
    「い、今のやられて素直になれると思いますか?!」
    動揺して抱きつく腕に力が入る。
    「君はとてもいい子だからね」
    そう言われれば軍人としても年下としても言うことを聞かざるを得ないと、ノイマンは少し不貞腐れながらおずおずと腕の力を抜けば、するりと慣れた手つきで腰に腕が回され引き寄せられる。
    「さて、それでは行こうか」
    「エスコートお願いしますね」
    素直に軽くもたれかかればコノエはゆっくりと歩きはじめる。

    (二度とこんなドレスを選ばないよう、腰のあたりにでも痕をつけておこうか?)

    コノエの独占欲をノイマンはまだ知らない。
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