「好き♡」って言えや!『はっきりせえや』
画面にはその文字だけが空白の中に浮かんでいる。
環境を変えることは選べたのに、何故こうも関係は変えられないのだろうか。
大きな溜息を、桃吾はこぼした。全身の気が抜ける、今はそんな場合では無いのに。
座ってじっと眺めていた携帯の画面から視線を逸らす。隣の現バッテリーはそんな桃吾の様子を呆れたように眺めていた。
「なに、円になんかした?」
「ちゃうわアホ……」
「うわっ辛気臭!あー……向こうから?なんか言われた?」
「お前には教えん……」
「なにそれ、あー心配損かも」
「そもそもお前に頼んどらん」
「はいはい、そうですか……」
呆れたように顔を歪ませる相手を軽く睨みつけながら、ごろんと床に寝転がる。
「ほんまになんやねん」
5611