なんか圭が転生して夢の中で智将と出会う話生まれてからずっと、何かを探している気がする。
自分の半分が世界のどこかに埋まっている気がして、それを探し続けている。
*
圭は夢を見ていた。
夢の中で、圭は広大な森の中を歩いている。樹々のその高さに圧倒され、木漏れ日で金色に輝いている葉を見やる。先が割れ逆三角の形をしたそれに見覚えがあるようなないような、なんとも曖昧な記憶の中辺りを見渡すが、道のような道は一つも見つからない。迷いながらもひたすら歩き続けた。
夢の中で圭が歩みを進めていると、突然、目の前に鏡のように光り輝く湖が現れた。揺らぎのない水面を覗くと自分の顔が映っているのだが、よく見ると、その顔は圭自身ではなく——
「……誰?」
圭は小さく呟いた。その瞬間、湖の水面が波立ち、姿が歪んだ。
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