夕焼け小焼け 友人が死んだ。
それはあまりにも唐突で、けれど都市だったらきっとよくある話の一つとして数えられるんだろうなと思えるくらいにありふれたものとして目に映ったであろう。
友人が死んだ。
友人と僕は住んでいる場所が少しばかり離れていた。
けれどお互いの住まいを挟んでちょうど真ん中のあたりに公園があったから、遊ぶのはいつもそこだった。
友人が死んだ。
公園のちょうど真ん中から先。友人が笑って手を振っていたその瞬間も、自分を呼ぶ声も、それらがじゅっと消失する音もまとめて蒸発してしまったあの日。
友人が死んだ。
それから先のことは詳しく覚えていない。けれど居住区の一部が友人ごとごっそりと蒸発してしまったということだけは聞いた。どこそこの何某がやらかしただとか、事を鎮めるのに何人の便利屋が犠牲になっただとか、そういうことを大人たちはばたばたと話していて、両親は僕が無事だったことを泣いて喜んでいた。
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