台風の日の夜に双子が同じ布団で寝る話 ❄
「鈴々、そっちに行ってもいい?」
そう声をかけると、布団がもぞもぞ動いて鈴々の頭が出てきた。
「……なに、眠れないの?」
「うん……風の音がこわくて」
わたしがそう言うと、鈴々は呆れたようにため息をついた。
「もう、しょうがないなあ……菜々は怖がりなんだから。ほら」
「鈴々ありがとう、大好き!」
鈴々が端っこをめくってくれた布団に滑りこむ。
頭をごっつんこしないように気をつけながら、布団の中で鈴々にぴったりくっつく。
とくん、とくん、と鈴々の心臓の音がきこえる。おでこから温もりが伝わってくる。
「鈴々、あったかい……くっついてるとぽかぽかする」
「そのまま目を閉じてれば、すぐに眠れるよ」
「うん……おやすみ、鈴々……」
796