体調不良たちの夜 誰もが寝静まる深夜の学園。監視の目を掻い潜って図書室でバトルの研究をしていた俺は、ふと吐き気を覚えて席を立った。
慌てて本を戻し、近くのトイレへ走る。一番手前の個室に駆け込んで、便器の前にしゃがみこみ、「う」と呻いた。
迫り上がってきた胃の中身が便器へ吐き出されていく。中身といってももともと大したものは入れていないので、ほとんどは胃液だ。喉の焼ける感覚とツンとくる匂いが不快だった。
嘔吐はそれだけで結構な体力と精神力を使う。俺は便座に突っ伏しそうになりながら、喉の筋肉を押さえて呼吸を整える。
「おーっとお、チャンピオンさまじゃねえですかい。こんな夜更けに便器とお友だちたあ、ご趣味がよろしいようで!」
6833