【マジトリ】ラッシーと僕「よし、ペロちゃん、今日も一緒に頑張るぞ!」
朝一番。今日も早くに起きて僕をも起こし、にかっと笑顔を向けてきたのは、僕の飼い主のクロイツだった。こいつは僕のことをペロちゃん、なんていう随分と可愛い名前で呼ぶ。仕方なしに今日も紫のターバンに乗っかってやれば、クロイツは満足気に笑ったのちに杖を持って家を出た。
飼い主が軒先から出ると、カンカン照りの太陽が僕のツルツルな体を焼き始める。今日は夕方から随分と冷えそうねぇ、なんて呑気な声がどこからか聞こえてくるけれど、もちろんまだこの時間は熱くて、体温が勝手に上がる僕でもだるくなってくる。あぁ、早く日が暮れないかな。大きなターバンに体をもたげても、まったく涼しくない。前に付いてるキラキラもダメ。最初はちょっと冷たいけどすぐに熱くなるし、目が痛くなるんだ。キラキラの代わりにラッシーなんて付けてくれたら、すぐに巻きついてやるのに。
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