待ち望んだ日。(シェフカク)昨晩雪が降り、朝は部屋の寒さに身を強ばらせながらエアコンをつける。
すっかり、冬を感じる十二月になった。
厚手のニットを着たガンマンは、部屋に鍵を掛けて家を出る。
最近、近所の八百屋で働き始めたのだ。きっかけは先月11月頭に遡る。
その日も夕食の準備をするシェフの傍らで何もする事が無く。ガンマンはテレビを眺めていた。
流れるのは赤と白と緑のCMばっかりだ。世間は来月のイベント、クリスマスに皆夢中らしい。
それはレストランで働くシェフも例外ではなく、シェフはクリスマスの新作デザートを任されたらしい。
数日前から家に帰って来ても、アレコレとデザートの試作を繰り返していた。
その試食をガンマンはおこぼれ的に享受していたのだが、それが、まあ旨いこと旨いこと……。
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