LKNの独白 気がつくと目で追っていた。
サバイバーを狩る者ハンターとして、獲物としてではないのだと気づいたのはいつからだったか。ルキノにはもう思い出せない。
鉄製のヘルメットに押し込められたふわふわとした焦げ茶色の癖毛。男にしては白に近い肌に、豊かな睫毛に伏せられた黒曜石のような瞳。火傷で爛れた肌を本人は醜いと言っていたが、ルキノは全くそう思わなかった。美醜はともかく、それが彼を構成する1つの要素であるのなら火傷痕さえも愛しく想ってしまうのだから。
そこでルキノは気がついた。ああ、自分は、彼に、恋をしてしまったのだと。同時に、その恋は絶対に叶うことはないのだとも。
自分に利のない関係はハンターは勿論、仲間であるサバイバーですらも持たない、彼の興味は名声と宝石のみ、それに恋愛対象は女性、なんて。
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