危険生物この施設では宇宙で捕獲された生物を飼育、調査している。その数ある中のとある生物。それは特に未調査の危険な生物とのことで、接触を最小限にすべく現在飼育員は一人、数日に一度だけ世話をしている…らしい。
俺はその飼育員の同僚から事務所で話を聞くだけで、そいつ自体は一度も見たことがない。
「アメーバみたいにぐにゃぐにゃしているんだけど体は硬いらしくて、檻の隙間は通れないみたいなんだ。」
彼は毎回興味深そうにそれの話をしてくれる。彼が嘘をついているとは思えないが、いつも摩訶不思議な話をするので俺も次第に興味を持つようになった。
「最近俺の真似をするようになったんだ。目もないのに不思議だよな。」
「今度は体の色を変えられるようになったんだ。色素体を持っているのかな。」
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