「何がホワイトクリスマスだよ」
「雪道のゴミ出しはご苦労だな」
「…お前道こっちだったっけ?」
「…乗っていきたまえ」
バタン、という音と共に
成歩堂が隣に座る。
12/25
クリスマスか。
私にとっては、あまり良い思い出ではない。
雪も。
信号が青になった。
あれから―
もう
頭の中に鳴り響いていた音も
聞こえない。
だが。
*******
「…おはよう」
「ああ」
今日は朝から雪景色だ。昨日からずっと降り続いていたのだろう。
君は機嫌が悪くなるだろうか。
「なーにがホワイトクリスマスだよ。
サンタさんもさ、プレゼントなんて要らないから
ゴミ出ししてきてほしいよ」
布団からやっとの思いで顔だけ出した君は、まだ眠そうだ。
「サンタクロースが運ぶ物は、もう少し夢のある物が良いと思うのだが」
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