ヒーロー達に祝福を! かくして世界は救われた。失われたものは大きく、デスドライヴズの侵攻により受けた被害は甚大だ。復興も容易ではないだろう。だが人々の胸には、確かな希望が灯っていた。それに失うばかりではなく取り戻せたものもある。
ルイス・スミス。戦死した筈の彼が生きていた。
なぜ? 一体どうやって? 誰もが疑問を抱いたが口には出さなかった。感動の再会に水を差すようでは、あまりに無粋だ。
「立てるか、イサミ? ほら」
座り込んだままのイサミへ、ルイスが手を伸ばす。差し出されたその手をしばし見つめて微笑むと、力強く握り返した。
「……スミス」
ルイスの助けを借りて立ち上がると、イサミは勢いのまま──彼をぶん殴った。
「ぶっ?!」
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