人造少女それを見つけたのは祖父母の家でのことだ。
祖父母の家で見つけたということは夏休みか年末年始のことだろうが、今となっては定かではない。
入ることを禁じられた部屋にどうして忍び込もうと思ったのか、それも思い出せない。
おそらく俺は、その時から引き寄せられていたのだろう。
会ったこともない誰かに、あるいは何かによって。
その部屋は物が乱雑にしまわれた物置だった。
倒してしまわぬよう気をつけながら部屋の奥へと探検していき、机があるのを見つけた。
この雑然とした部屋の中で、その机だけがあるべきところに設えられているようだった。
おそらく元々は誰かの寝室だったのが、主の不在により物置として利用されるようになったのだろう。
引き出しを開けて調べたくなるのは男子小学生の当然の性といえる。
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