名前の無い日記ヴィマナプラの都市伝説のひとつ、『名前の無い日記』をご存知だろうか。何気なく暮らしていた自分の部屋の開けていなかった引き出し、図書館の本棚、研究資料の間に交じって挟まっていたりする持ち主不在の日記達の事だ。日記には過去の生徒達の日常が綴られている、その中には気になる記述が沢山あり興味が尽きない。ループする都市ヴィマナプラにおいて日記とは最小の歴史書であり遺物なのかもしれない……なんて言っているのはバックス=クリーンこと自分ただ1人なのだけど。
持ち主不在の日記はいいものだ、偶にアイデアノートを兼ねているものがあり、そこから商品構想を練って提出したものが通って褒められたのはあまりにも強い成功体験だった。こんな所に目を付けるやつは居ないので自分ひとりで丸儲け、という事である。ちょろい商売だ。
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