給餌 ヴィータ体を覚えてからというもの、メギド体の頃には気にも留めていなかったようなことが意識の端にかかるようになった。
たとえば日差し。メギドラルでは昼と夜の明るさに大きな違いはなかったが、それでも明るいこと、暗いことを以前よりも強く意識するようになった。ヴィータ体の光受容器官である瞳の、虹彩と呼ばれる部位の色素が薄いため、光に敏感になったのだろうと言われた。
たとえば空腹感。メギド体ではさほど食事を必要としない。それぞれが好きなものを好きな時に好きなだけ摂取すればいい。生命維持の大半をフォトンの摂取によってまかなっているためだ。それが、生命維持の大半を食事に頼るようになる。正直、何度かそれに気づかずにほとんど動けなくなるまで活動をつづけた結果、倒れたことがある。本当に厄介だ。
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