星よ、貫け運命を!(MF🏎⛴ss) ──これはプリテンダー達が地球に来るよりもっと前。平和で豊かだったセイバートロン星に、争いの火種が撒かれ始めた頃の話。
セイバートロン星のとある地域。そこには“プリテンダー”と呼ばれる、超ロボット生命体ながら有機体へと擬態することも可能な種族が多く暮らしていた。
星全体で見れば少数の民族であるが、他の種族と交流をとりながら、穏やかに生活を送っていた。
──繁華街を歩く、黒と白のシンプルなボディーカラーが様になる男、ダイバーもプリテンダーの一人だった。
ダイバーは、暗い顔をしながら並ぶ店を眺める。
(ここらへんもすっかり活気を失っちまってる)
そう遅くない時間にも関わらず多く閉じられたシャッター。商品が殆ど並べられていない店。客を呼び込むこともなく俯いて店の奥に構える店主。そんな本来なら異様である風景を眺めて、ダイバーは静かにため息をついた。
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