今度は君も 半壊した都を、鉄走騎が進む。テイ元宰相が操る空中城塞戦艦はレッカの都を焼き払ったが、それでもリュートがマエストローグの浮上とルドルフの攻撃によって受けた被害よりは幾分ましだ。
やはりリンガリンドの臨時政府はレッカを中心として作ることになるね。と、サイドカーでシュウが言う。
「リュート側は納得するだろうか」
「あちらの首脳陣は全滅しているから大丈夫だよ」
「フィーネ姫とプラーク機構卿がいる」
「うん。二人には最終的にリュートを代表してもらうが、先に名誉回復が必要だ」
ルドルフの策略以降混乱続きだったし、と続けてから、シュウは辺りを見回した。
都の建物は半壊しているものの、生き残った民と兵士達とで目につく端から復興を始めている。まだ統制は取れていない。被害状況の把握もままならないからだ。
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