真理を知る ひょんなことから突然現れた人のようでそうではない不思議な男に気に入られ、それ以来それは我が家に遊びに来るようになった。訪れる度に私の医者の仕事を褒めてくれ、いつも労ってくれる。
仕事をしている時彼は居ないはずなのに何故私の行動を全て知っているのだろうか。気になって聞いてみると彼は当たり前のように言う。
「貴様のことはいつも見ているぞ?俺が貴様をどんな災からも守ると言っただろう」
彼の言葉に妙な説得力があり私は頷くことしかできなかった。彼の言うことに間違いは無いのだと思わせるような、従ってしまうような雰囲気に圧倒されてしまうのだ。
***
「最近よく出入りしているあの男は貴様の何なんだ?」
ある時彼にそう尋ねられた。
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