ねむりぎわ「んう、ぅー」
鞠さんが俺の膝に寝転んで、俺の指で遊んでいる。子供の小さな手がくすぐったくて、堪えきれず笑ってしまった。
「?」
「な、なんでもあらへんよ。気にせんでええて」
「うん」
……眠そうだなあ、と思う。普段なら俺にタメ口きくこともないし、こんなふうに手で遊んでくれる子ではないからだ。
「ふにゃ」
「寝ててもええねんで。……ああせや、今日はお出かけしてたんやろ? 楽しかった?」
プレゼントしたタオルケットを抱きしめ、鞠さんは少し目を閉じる。
「……たのしかった」
「そらよかったなあ」
「うん」
そう言うと、うとうとし始めて眠りそうになる。「ええよ、ねんねしとって」と声をかけると、嬉しそうに眠り始めた。
「(かわええなあ。よしよし)」
661