Recent Search

    nayutanl

    @nayutanl

    無断転載及び無断利用禁止

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💪 🌟 ❣ 💮
    POIPOI 50

    nayutanl

    DONEミス晶
    晶を誘ってマナエリアへ行ったミスラの話
    話しているうちに、相手のことを知りたい、応えたいと思うようになっていく二人。思いあってはいるけど付き合ってはいない。
    自分の気持ちにうっすら気づきつつある晶と、その感情をきっと恋というのだとまだ分からないミスラ
    心の在り処 なんとなく連れてきてみたくなって、ミスラは晶を湖に誘ってやってきた。天候はというと、雪は降っているが風はなく上々である。湖面も凍っていない。けれども、北の国の冬としてはまだまだだ。少し落胆しながらミスラは小島を過ぎた辺りで櫂を動かすのをやめた。舟はしばらく惰性で進んだが、やがてゆっくりと動きを止め波に揺られるのみとなった。
    「湖面が全部凍るほど寒くなれば、いいものを見せてやれるんですけど。今日は駄目でしたね」
    「でも全部凍るくらいっていうと、死ぬほど寒いんじゃ……」
    「そうですね。相当強めの魔法をかけないと、きついかな」
     魔法でもかけないと、こうして少し話すのに口を開いた瞬間体内に冷気が入り込んできてたちまち凍えるし、口を閉じていたって外から凍える。この程度の寒さならまだ死ぬことはないが、『あれ』が見られるほどとなると晶の言ったとおり死者が出始める。そうやっていくつもの集落がなくなっていった。
    3140

    nayutanl

    DONEアサ晶
    魔法舎の自室においてあった招待状をもってバーへやって来たアーサーを待っていたのは……
    少し遠回りしながら気持ちを伝えようと頑張る晶と、まだなにも知らないアーサーの話。
    余談というかこれがサビなんですが、ミモザのカクテル言葉は『真心』、ミモザの花言葉は『秘密の恋』です。きっと魔法舎では(公然の)秘密の恋。
    告白の作法 魔法舎の廊下を一人歩くアーサーの手には、マスタードイエローの封筒が一枚。夕食後、自室に戻ると机の上に置いてあったのだ。差出人の名前が書かれていなかったが、魔法舎に住まう誰かが置いたことは間違いないだろうと開けてみれば、中に入っていた便箋には『今夜、バーで待っている』という旨のことがたった一文で書かれていた。所謂招待状である。
     誰が書いて、誰が置いたものだろうか。書いた人物と置いた人物が同一人物だとは限らないし、バーで待っているのは一人ではないかもしれない。
     場所にバーを指定してくるということは、シャイロックだろうか? それとも、よくバーに出入りしている誰かか。西の魔法使い達や、酒を愛するひと、考えられる線は複数あるが、アーサーは推理をするでもなく、ああかもしれないこうかもしれないと思いを巡らせながら、うきうきとした足取りでバーに向かっていた。
    2487