その伝わり方や如何「なぁんだか、テーネ、気が進まないなぁ」
4人が放り込まれたのは、机とそれを囲む椅子の他に何もない、殺風景な部屋。
『順が来たら、呼びます』
と研究者が告げてきたことから、待合室扱いなのだと思われる。
待機するうちの一人、【カリスマ】であるテネレが、伸び気味に声を上げた。
パイプ椅子よりはいくらか質の良い椅子に腰掛け、背中を預けている。パニエの入ったスカートがふんわりと形を変える。
「気が進まんのも、当然やんなぁ。こんな人体実験みたいなこと」
応えるのは、【優しさ】のラナーク。アシンメトリーに整えた前髪を指先で翫ぶ。
「あれやろ、脳波取んねやろ?怖いわぁ」
口元には笑みを浮かべながらも、その瞳に楽しげな様子は一つもない。そんなラナークに、食い気味にテネレは「そうなの!!」と叫んだ。さらに勢いづいたテネレは、椅子から体を浮かせて、テーブルに手をついて捲し立てた。
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