透明化の禁書「どうしておまえはいつもいつも……」
「貴様が俺に指図する筋合いはない!」
そんな叫び声がサタンの部屋から溢れ出る。いつもの光景。普段と同じ日々。
どうしてこの馬鹿は進歩しないのかと頭を抱えるが、それでもこうして俺に対する反抗心を向けてくれるとどこか安心する部分がある。シャーシャーと猫のように威嚇するおまえを見ていると、きっと明日も同じ日を繰り返すことになるのだろうと安堵する。
「おい! 聞いているのか!」
「聞いてるぞ。で、なんだ?」
俺の返事にサタンの表情が更に険しくなる。サタンの手が俺の方に伸びてきた。
「やはり聞いてないだろう!!」
そう言って俺の胸ぐらを掴んだサタンはそのまま…… バランスを崩して俺の方に倒れてきた。俺もまた同じように倒れてしまい……
1982