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    リラ猫

    @Liyracat_Om
    おべいみーの二次創作で、文字書きをしてます。
    サタン・レヴィ・ベルフェ推し。
    基本的にMCはネームレス・性別不詳となるよう書いています。
    そのためCPのタグで少なくとも片方が性別不詳の作品は「UL」と表記しています。

    Pixiv
    https://www.pixiv.net/users/71932942

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    リラ猫

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    BL作品。男留×サタン。
    フォロワさんがお絵かきしているのを見て、思わず湧き上がってきたSSをそのままプレゼントしました。

    #ObeyMe
    ##全年齢
    ##恋愛-BL

    魅惑のアップルパイ「おい、サタン」
     俺に背を向けてしゃがみこんでいる金髪の悪魔に声をかけると、そいつはビクリと肩を震わせた。恐る恐る後ろを振り返るそいつは、キッチンの冷蔵庫を開けたままこちらをじっと見る。
    「や、やあ。どうしたんだ、急に。君もお腹が空いたのか?」
     そう言いながら、サタンは後ろに何かを隠したのを見逃さなかった。俺は何も言わずにサタンの肩に手を置く。そのまま軽く後ろ方向へ力を入れてやると、悪魔だというのに人間の力でも簡単に後ろへひっくり返った。
     それと同時に表れたのは、平皿に乗ったレッド×レッドアップルパイ。後ろにひっくり返りながらも何とか皿をひっくり返さないように死守したそれは、一口分だけ欠けていた。
    「なあ、サタン」
     そう言いながら、床にひっくり返っているサタンを見下ろすように俺はしゃがみこむ。サタンの顔が一気に青ざめる。
    「な、なんだよ」
     見下ろしている俺から視線を逸らすサタン。なんだ、ちゃんと分かってるんじゃないか。
    「そのアップルパイ、誰のか分かってるよな……?」
     にこりと笑みを浮かべて見せると、サタンは勢いよく体を起こし立ち上がった。もちろん皿は傾けないように。
     そして、サタンは俺に向かって深々と頭を下げた。
    「悪かった! どうにも腹が減って仕方がなくて、つい……! 今度、お詫びの品を持ってくるから……!」
     そのサタンの言葉を聞いて、俺もゆっくりと立ち上がる。いまだに俺に向かって頭を下げ続けるサタンを見て、うーんと思考を巡らした。
    「お詫びの品、ねえ……」
     俺のつぶやきに、サタンが少しだけ顔を上げて俺の顔色を窺った。その表情には反省の色が見えており、正直俺は楽しいと思ってしまった。
     あのサタンが、俺に深々と頭を下げて反省しているのだ。滅多に見られない。
     俺は口元に笑みを浮かべながら口を開いた。
    「仕方ないな。許してやるよ」
     俺の言葉にサタンが勢いよく頭を上げる。青くしていたその表情は安心しきったものへと変わっており、子どものような明るい表情となっていた。
    「ありがとう。さすがーー」
    「ただし」
     サタンの言葉を俺が遮る。俺の言葉に、サタンは目を見開いた。
     サタンの目をじっと見つめる。なかなか話し出さない俺に、サタンの目には不安が宿り始めた。
    「お詫びの品は、今がいいかな」
     そう言って俺はサタンの肩に手を伸ばし、力強く抱き寄せた。サタンの体がすっぽりと俺の胸の中に収まる。
    「な、何をする!」
     サタンが声をあげながら暴れようとする。それを押さえつけようと、俺はサタンの腰に手を回し力をいれた。
    「はーー…… なあ、サタン。状況が分かってないの?」
    「何の話だ!?」
     俺はそのまま、片手をサタンの腰のあたりから服の中に手を入れた。サタンの程よく鍛えられた腹筋に手を添える。

    「ここにも美味いものがあるんだよ」
     
     俺の笑みを見たサタンは、目を見開いたまま青ざめた表情をしていた。
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