放課後の特別な時間 授業終了のチャイムがなった。自分は無意識にふぅと溜息をつく。
「今日もお疲れ様」
そう言って、自分の隣に座っていたサタンが声をかけてきた。ありがとう、と笑みを浮かべながらそちらを向くと、サタンの左の手のひらが視界に入る。そのまま手は自分の頭の上まで移動し、くしゃくしゃと撫でた。
突然のサタンの行動に、自分はじっと見つめたまま固まってしまう。
「……ん? どうした。顔が赤いぞ」
いたずらっぽく笑いながら自分の顔を覗き込むサタンに、自分の頬が更に熱くなるのを感じた。なんでもないと首を横に振ると、サタンは顔を離して「そっか」と呟く。
ふうと安堵したのも束の間。おでこに温かく柔らかなものが触れた。
「え!?」
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