厄介な装備「うわー!」
地響きにも似た叫びに弾かれるように走る。闇の世界、ラルセイがあつらえてくれた自分たちの部屋の方からだ。過去に数回聞いたことのあるその叫びはスージィの物だった。何か恐ろしいことが起こったのではと不安に駆られて駆けつけると
「離セー!離シテ!!」
いつの間に自分の手元から逃げ出していたのか、スパムトンがスージィに首根っこを掴まれてもがいていた。
「クリス!」
「クリスサマ!!」
自分の到着に気付いた二人はこちらを見てそう呼ぶと、また忌々しげに睨み合った。
「おいコレ見てみろって!」
スージィがその逞しい片腕でスパムトンを圧迫しながら、床に落ちているものを自分の方へ蹴って寄越した。
「アーッ!商売 道具ニ 何をするんで su カ!!」
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