初恋とは実らないものである「付き合ってくんね? ……あ、や、待って。付き合ってください」
我ながら情けねー告白だったと思う。
学祭の中日。中夜祭でのライブの片付けをしてる最中に、その笑顔があまりにも眩しくてうっかりそう言葉が出た。
「は? ねえ、うちもいんだけど」
ユキナが俺の脛を軽く蹴った。
「んっ? 待って待って、今の誰に言ったん?」
お前だよ! 叫びそうになったのを堪えた俺を見て、ユキナが声を上げて笑った。
「やば。相手にされてなさすぎてウケる。きょーちん結構ニブいタイプかよ。あー、おかし」
「笑うなってマジで」
ヒーヒー言いながら腹を抱えるユキナが織笠の背中を叩く。
「きょーちん、こいつきょーちんに告ってんだよ」
「え? なに? お前とうとう告ったの?」
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