寒い日の夜に帰ってきた監督生 その青年はひとり、夜の公園の雪の中にいた。
いつの間にやら迷い込んでしまった公園でどちらに進もうか右往左往する姿は完全に不審者であったが、本人はいたって本気で彷徨っていた。
大学の帰りだったはずだ。サークルの飲み会で勢いよく飲まされ、てんでお酒のダメな彼はふらりとする体をしっかりと自分を支えるように足を踏み締め帰路に就いていたはずだった。
しかしどうだろう。酔いが軽く覚めて周りを見渡せば見知らぬ公園で歩いていた。我に返って周りを見てみれば誰もおらず、深々と静かに雪が降る静かな風景が広がっている。
これはやばいとスマホを取り出すが電池はなく、あれれれれとスマホと公園を交互に眺め、軽くパニック状態に陥っている。そして、冒頭。
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