スタァライトパロの続きあれだけ正面から、頭上からバカにされてしまったからには、黙ってはいられない。
想楽はレッスン室で一人、ステップを練習していた。
床と靴の擦れる音はしばらく続く。鏡の前で最後のターンを決めてから、想楽は荒れた息を整えて、鏡を背にする。壁に備え付けられた手すりを両手で握って、体重を預けた。
首にかけたタオルで額を拭う。
(……納得、いかないな)
想楽は未だ、心をざわつかせる何かを処理できずにいた。
いくら踊っても、ステップを極めても、あの鮮烈な光景が脳を刺激して邪魔をする。
遠方から見たステージは、想楽を惹きつけてやまなかった。
それが同時に悔しくて堪らなかったのだ。
(あのキラめきがない、って言われたのも、そのキラめきに見惚れるだけだった、僕にも……納得、いかない)
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