ちびずきんちゃんある所に白いフードのついたケープがお気に入りの子がいました。
他の子に比べて小柄で幼げな顔つきのその子は周りからちびちゃん、や頭巾ちゃん、と呼ばれては親しまれていました。ここではちびちゃんと呼ぶことにします。頭巾ちゃんあんまり可愛くないので。
ある日のことです。
ちびちゃんの友達であるディーナ(とても美人で優しいのでちびちゃんは彼女のことがとても好きです)が、困った様に頬に手を当てて溜息をつきました。
それにちびちゃんはどうしたの、とききました。
するとディーナは、実は、と言って籠を差し出しました。
開けると中には苺が沢山入っています。
蓋を開けただけで甘酸っぱい匂いが一気に広がって、思わずちびちゃんの表情が綻びます。
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