入れ替わり立ち代り01.現代ハディさんのところにおそらちびちゃん
「……ハディさん?」
寝ぼけ眼を擦って、コウが首を傾げる。
その身に纏った茶色いケープと、昨晩よりも小さくなった身体。よく知っているそれは、しかしずっと昔、それこそ此処に産まれる前の物だ。
きょろきょろと辺りを見回して、
「……ここ、どこ……?」
オフィスみたい、と不思議そうに言うコウに、ハディは、
「……夢を見ているんですよ」
「夢?」
「ええ」
「……ぼくの夢に、ハディさんがいるの?」
そういえばこの頃はまだ性別が決まっていなくて、一人称もぼくだった。懐かしいな、と思いながら、癖の着いた髪を撫でる。それを受け入れて、嬉しそうに目を細めるコウに、
「どっちでしょうねぇ」
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