Recent Search

    明幸(日月)

    @akrgmt

    二次創作の絵やら小説やらの置き場。絵はAI学習対策のためすべてワンクッション設定してあります。小説は縦書きと横書きがあります(めんどくさいときは横書きだけ)。

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 😇 ☃
    POIPOI 30

    明幸(日月)

    DONE(縦)暗影篇サブミッション『御前仕合』の続きをイメージして好きなキャラ同士の手合わせを書いたもの。説明のない独自設定が含まれます。
    忠なし義なし、野心あり 美濃国岐阜城下、鍛錬場。晴天の下、その庭へ織田家の武士たちが集っていた。ひとくちに武士といえど甲冑に身を固め刀槍をたずさえた者、薄い小袖をまとった丸腰の者、上裸で瓢箪の酒をあおる者……と、その姿はさまざまである。
    「さあ、次に仕合いたい者は誰だ」
     板張りの道場から、小柄な男が声を張り上げる。普段は庭との境となっている雨戸が外されており、その声は遮られることなく武士たちの耳へまっすぐに届く。彼の背後、上段の間には畳を敷き胡座あぐらをかく男が一人。
    「信長様へ直に己の活躍を見ていただけるまたとない機会だ! どんどん名乗り出てくれ!」
     ここでは今、御前仕合が行なわれている。織田家当主・信長へ自らの武勇を示すべく各々が腕を競い合う場……ではあるが、それを観戦せんと娯楽気分で参じた者が大半のようで、名だたる将たちが大方仕合を終え去った今、舞台に上がる者を募る藤吉郎の声に、彼らは周囲を見まわし互いに厄介ごとを押しつけ合おうとするばかりであった。
    19784

    明幸(日月)

    DONE(横)秀の字(&藤吉郎)と2人の少年の話。暗影篇終了〜旭光篇開始の間らへん(前作『殿からの褒美と近江の城』の続き)から始まるけど前作との繋がりはほとんど無し。夢路篇の台詞やバトルをはじめ色々と改変しているので注意。秀の字の性別は決まっていないけど身長は藤吉郎より頭1つ分以上高いイメージ。書きたい場面だけ書いたので話の内容が全体的にツギハギ気味かもしれない。※過去作再掲
    二本の青き槍 天正元年(一五七三年)。
     陽光をうつし輝く水面みなもをふたりは半刻ほど見つめていた。
    「…さて、茶屋でも寄って帰るか」
     やがてひとりは腰を上げ、いそいそと歩き出す。隣に座っていたもうひとりも立ち上がりそれに続く。

     琵琶湖。
     近江国の中心に存在する湖の名である。その規模は小国ひとつ分に匹敵し、内陸地に突如あらわれた海かと見まごうほどであった。
     ここから東に位置する今浜の町を長浜と改め、湖畔への築城を企てる新たな領主がふたり。
    「水門を作って、船で直接城に出入りできたら面白いと思わねえか?」
     軽い足取りで熱弁をふるうは藤吉郎。それを横目にもの言わず首を振るは秀千代。
     〝秀吉〟と称された、織田信長配下の武将たちである。
    7543