英語力アップの話。「…今何と言ったんだ」
類が司に向けて放ったその言葉は、紛れもなく英語で、とても流暢なものだった。
「フフ、言ってしまったら司くんの為にならないだろう?」
「むう…よし、一言一句翻訳してやるぞ!待っていろ!類!」
「楽しみだねえ。頑張ってね、司くん」
その日の晩、部屋に篭って猛勉強する司。類からもらった、彼のセリフを控えたメモと電子辞書や英語の参考書との長時間のにらめっこの末、やがて全文を自分なりに読み解き、類の言っていたことを理解し、目を見開く。
「〜〜っっ…!?類のやつこんな恥ずかしいことを…ッ…!」
恥ずかしくなると同時に、自分の英語力の無さが故にその場でそれに応えられなかった悔しさも募る。
「(だが…いい機会だ。この言葉に応えられる英語を学んで類を驚かせてやろう)」
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