その指先から花開く 進軍拠点の施設には、資料がまとめて置かれている本棚がある。拠点を移動する度に資料を移動させることから、つい雑然と資料が置かれがちだ。そういった事情で、生活管理官からシェズ達に資料の整理を依頼されることも多かった。
アネットはよく調べもののためにこの本棚を利用している。それまでは自分で山のような書籍から資料を引っぱり出していたが、町の人達に勉強を教えるようになった一件から、アッシュがその手伝いをしてくれるようになった。彼はアネットの「人に教える仕事がしたい」という望みを応援すべく、自らそうするようになったのだ。
「アネット、これが君が探していた資料じゃないですか?」
「そう、これ! ありがとう、やっぱりアッシュが手伝ってくれると捗っちゃうな」
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