世界で1番長生きな嘘つきへ。「私はリーベルの死を受け入れる、リーベルの守ったこの世界を…次は私が」
英雄の死から2年、この長くも短い2年の間に何かが変わったといえば変わらないし、全く変わらないといえば嘘になる。
少なくともコノエの守るべき対象であるカバネとクオンの関係性は少しずつ変わり始め、コノエの作る野菜の出来も2年前よりいい物になっているのは確かだった。
世界は二分されたままだが、それでも今を生きる者たちの声はコノエには眩しい。
そんな中で変わったことがもう1つ。
「なんでアンタはまたッ……!」
「お前のところの主が俺の売ってるものを望むから来てやってんだろ、お前に会いに来てる訳じゃないぞ?」
「すまないね、コノエ。この前オルカから買った甘い食べ物がどうしてももう一度食べたいと思って」
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