魔女と怪物森で瀕死の怪物を拾ったのは単なる気まぐれだった。
「お出掛けですか」
籠を持ち、森へと薬草を摘みに行こうとしたところを、ツキシマ……拾った怪物に見つかった。
このツキシマ、それはそれは酷い怪我だったが、元々生命力が強かったのか、無事に回復し今に至っている。
ちなみに名前は拾った時に着ていた服に
-No.07-27 TUKISHIMA-
と書かれていたからそう呼んでいる。それがどんな意味なのかは知らないし、興味もない。どうせ回復したらさっさと出ていくかと思っていたからだ。
なのにツキシマは何故かまだ私のもとにいる。
「俺も行きます」
「一人で大丈夫」
「いえ、行きます」
今日もツキシマからの圧が強い。有無を言わせぬ表情で迫ってくるから困る。
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